墨娯游帖
書ノ作品

小田原文化財団 江之浦測候所 トキと空間のアート

アートは人類の精神史上において、その時代時代の人間の意識の最先端を提示し続けてきた。

アートは先ず人間の意識の誕生をその洞窟壁画で祝福した。

悠久の昔、古代人が意識を持ってまずした事は、天空のうちにある自身の場を確認する作業であった。

そしてそれがアートの起源であった。

新たなる命が再生される冬至、重要な折り返し点の冬至、通過点である春分と秋分、天空を測候する事にもう一度立ち止まってみる、そこにこそかすかな未来へと通ずる糸口が開いているように私は思う。

〈小田原文化財団 創立者 杉本博司〉

昨日、作家であり、美術収集家である、杉本博司氏による、神奈川県小田原市に在る、江之浦測候所に行って参りました。

縄文時代以来連綿として受け継がれてきた日本文化の特質、それは人と自然が調和の内に生きる技術だ。

自然の内に八百万の神々を祀りながら、日本人は独特の文化を育んで来た。

今、自然破壊の限りを尽くさねば生き残れない、後期資本主義の過酷な世界の中で、いちばん求められているのが、その日本文化の技術なのだ。

〈杉本博司 小田原考より〉

先月に2020年での活動休止を発表した、嵐の20周年ツアー5×20パンフレットのロケ地となったことから、聖地巡りの場として密かに入場者が増えてゐるそうです。

昨年、何度か光学硝子舞台の写真を目にして以来、興味を持ってゐましたが、まさか一般公開してゐる美術館(スペース?)だとは思ってゐませんでした。

たまたま、足を運ぶこととなり、しかも好天に恵まれ、運に恵まれました。

非常にクオリティの高い「美術館」で、午前午後の二回の入場時間内で、完全予約制、人数・年齢制限があります。

三時間の入場時間、たっぷりと使って体感して戴きたい、トキと空間を体感するアートな世界です☆

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