墨娯游帖
書ノ作品

歳時記のいろは〈神無月〉

今日は、太陰太陽暦(旧暦・和暦)では、神無月朔日です。

神無月朔日 かんなづき ついたち と呼びます。

現在は、グレゴリオ暦といって、太陽の運行に沿った暦が使われてゐますが、ここ日本に於いては、江戸時代までは月の満ち欠けに沿った太陰太陽暦が使われてゐました。

朔日の読み方、「ついたち」という言葉は、「月立ち(つきたち)」が転じたものです。

今日、11月8日は新月で、太陰太陽暦でいうところの、10月神無月の初日です。

この「神無月」という言葉は、様々な由来があります。

八百万の神様が出雲大社(島根県出雲市)へ会議に出かけてしまい、全国の神社より神様が居なくなる、という由来は広く伝わってゐますね。

神様が出かけてしまう国では神様がいないので「神無月」、反対に出雲の国(島根県)では神様がたくさんいらっしゃるので「神在月」(かみありづき)と呼びます。

出雲大社に集まった神様たちの議題は、おもに人の運命や縁だと言われています。

誰と誰を結びつけ、誰を結婚させようか、ここで話し合われるわけですね。

出雲大社が縁結びの総本山と言われる所以です。

また、古語としての解釈では、神無月というのは、神の月という意味になります。

「無」は「の」という助詞だったのです。

森羅万象に神なる力が宿る という自然界への捉え方が、収穫の季節となる10月11月あたりを神の月として、自然界のみえないチカラに敬意をはらってゐたのでしょう。

そのせいでしょうか。たくさんの「かみ」とつく別称があります。

神な月 (かみなづき)
神有月・神在月(かみありづき)
神去月 (かみさりづき)
神嘗月 (かんなめづき)
醸成月 (かみなんづき)
雷無月 (かみなかりづき・かみなしづき)

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